廊下の多い医院

The clicic with many corridor.hai091-01.jpg今は無き古い医院。

まだここの医院の場所が
あまり明かされていなかった頃、

県名と「上空から見ると"玉"の字の形」
という手がかりだけを頼りに
空いてる時間を見つけては
航空写真をひたすら探し続けて特定した思い出。hai091-02.jpg
苦労して特定したかいあって
本当に素晴らしい物件であった。hai091-03.jpg田舎の住宅地にひっそりと
こんな場所が残っていることは本当に感動する。hai091-04.jpg古い医療道具もたくさん残っていた。hai091-05.jpgこちらは何の機械だろうか。
暗室ではないのでレントゲンではなさそう?hai091-06.jpg小さな電話口が可愛い。hai091-07.jpg薬品もたくさん残っていた。hai091-08.jpg定番の白い棚も残っている。hai091-09.jpgこちらも定番の、革張りの診察台。hai091-10.jpg白い棚には医療器具がずらり。hai091-11.jpghai091-12.jpgそして…手術室!!ここがまた素晴らしい!!
古い無影灯や、蔦にまみれた顕微鏡も最高!!

古い医療器具もそのまま配置されていて、
たっぷりと光の入る窓が多いのも珍しい。
しかも、窓は一応半分がすりガラスになっている。
hai091-13.jpgこちらの手術台はこの医院が少し有名になってから
ベッドに赤い染みがつけられてしまった。

ここも何度か撮影したので
これを見た時は少し悲しかったが、
私もそんなこと言える立場じゃないので
そういう事に関しては何も言えない。hai091-14.jpgここの手術室の床には薬がたくさん落ちていた。hai091-15.jpgこの顕微鏡がな…!!
写真映えを狙ったのか!?と思うほどの素敵さ。hai091-16.jpg隣にはいつからかレントゲン写真が。hai091-17.jpgレントゲン写真の方は最初は無かったので、
本当に誰かが配置したようだった。hai091-18.jpgこちらの医療器具も可愛い。hai091-19.jpg木の棚に残る薬品。
鳩サブレの缶にも何かいれていたのだろうか。hai091-20.jpg手書きの「普通薬」シール。hai091-21.jpgこちらの医院、上空から見ると
"玉"の字ということで、
長い廊下が縦1本、横3本もあってかなり広い。hai091-22.jpgこちらが"玉"の中心である十字路。hai091-23.jpg最後に撮影した冬もほぼ変わらず、
この扇風機がいた。hai091-24.jpg"玉"の字の真ん中の横棒部分。かなり長い。hai091-25.jpg廊下の窓にはツタが侵入してきている。hai091-26.jpg医院らしい部分は"玉"の下横棒部分だけで、
上部分は入院棟のような感じだった。
hai091-27.jpg古い木枠の窓と裸の豆電球が良い。hai091-28.jpg木造のため、かなりボロボロだ。hai091-29.jpg"玉"の上横棒の左は土間になっていて古い台所。
木の桶や、かまどが時代を感じさせる。hai091-31.jpg物置のようになっている部屋に残された
心霊の人たちが喜びそうな赤い着物の日本人形。
私は霊感が皆無なので特に怖くはなかった。
hai091-32.jpgそして、最初に撮影した時、見逃してしまい、
二度目はこれを撮るためだったと言っても
過言ではない、素敵な壁がこちら!!

入院中の患者さんが書いたと思われる手書きの詩。
達筆すぎて私にはほとんど読めない。
もしこれを読める人がいたら、
内容を教えてほしいものだ。hai091-33.jpg唯一かろうじて読めた文。
横に書かれた「病軀呻吟横臥二年有半」
病気で床に伏し苦しんで2年半ということだろうか。
先ほどの壁いっぱいに書かれた詩とは
別の筆跡に見えるがどうなのだろう。

どちらにせよ、自分の病気の体を嘆くような
重々しい苦悩を感じさせる文字だ。

私もいつかは入院したりする時が
来るのかもしれないが
それまでは健康に感謝して生きていきたいものだ。hai091-30.jpg敷地内には廃屋のような建物もあり、
そちらもかなり時代を感じさせる雰囲気であった。hai091-34.jpgこちらの医院は更地になってしまい、もう無い。
多分もうご存命ではないであろう
患者さんの手書きの詩が、
文字だけ残されていたことに感動したものだが、
その壁ももう永遠に失われてしまったことだろう。

せめて写真に残せたことに自己満足しているが、
そんな写真もいつかは失われてしまうのだ。
永遠なんてものは何一つないのだと思う。

そう思うと、逆になんだか救われる気がする。
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