2023/03/04
モザイクのような窓の学校
The school of windows like a mosaic.
その学校は恐ろしく山の中にあった。
1回目の際、途中で土砂崩れが起きて
車が通れない場所があり、
何キロも歩くはめになったのだが、
あまりにずっと人工物のない山道が続くので、
本当にこんなところに学校があるのか
不思議に思ったぐらいだ。
しかし、そんな場所に、本当にあった。

なんといってもここの特徴は
教室いっぱいに広がるモザイクのような窓だ。
古いガラスの木枠の窓はなんとも趣深い。

「この時計が時を刻むことはもう二度とない」
という廃墟でありがちな文言が
ぴったりな写真が撮れてしまった…。
朽ちた床からは緑が生え、
誰かが配置したのか、壊れた時計が
物語のワンシーンのように置かれていた。

こちらは何度も撮影しているが、
そのたびにこの時計は別の位置に移動している。

ちょうど真ん中らへんから天井と壁が朽ち、
それに伴って床が割れ、植物が生えているのは
廃墟の優等生とも言うべき情景である。

折れた木造の柱の美しさよ…

隣にはオルガンの残る小さな部屋がある。

こちらも木造で可愛らしい。

朽ちて不揃いになった鍵盤が素敵。

レコードの機械のようなものも残っている。

可愛い絵のレコードのパッケージ。

鉄琴なども残っているので
一応音楽室だったのだろうか。

この部屋もだんだん朽ちてきており、
部屋が崩壊する日も近そうだ。

廊下にも一面、モザイクのようなガラス窓が。
木々に囲まれているため、全体的に暗く、
これくらい広い窓が必要だったのだろう。

タイルの洗面台も残っている。

どこもかしこも歪んでいて
もはや無機物なのに有機的な存在に感じる。

木々に囲まれているので少ししかあたらない夕陽。

数年前は結構残っていた窓も、
少しずつ割れてなくなっている。

こうして斜めから見ると歪み具合がよくわかる。

遊具の隙間からは立派な樹が生え、
閉校してからの時の長さを物語っている。

的のような遊具。
ボールなどをあてて遊んだのだろうか。

こう見ると校舎の壁が全部窓でできているようだ。
ここまで窓の多い校舎は
今のところ見たことがない。

校庭だった場所も草が茂り
ジャングルのようになっている。

手前に体育館があるが、天井が植物に覆われ、
いつ崩壊してもおかしくない状況。

この天井の湾曲は、レンズのせいではなく
実際に湾曲しているのだ。

体育館も木々に囲まれすぎていて
夕暮れ時の僅かな時間しか
直射日光が室内に届かない。

こちらも窓が多く開放的な空間だ。

体育館から校舎に繋がる木造の橋は
最近はもう崩壊してしまっている。

体育館の窓枠は外から見ると
ミントグリーンに塗られていたようだ。

普段外観は出さないようにしているが、
あまりにもすごい立地&外観なので
見ていただきたい。
卒業生の方が時々訪れているようで、
他に卒業生がいたら連絡が欲しいという
貼り紙があった。
ココでの学生生活はそれはそれは
特別な体験であっただろうから、
その思い出を共有したくもなるのだろう。
私はそんな思い出を持てる人生を
少し羨ましく感じてしまうのだった。
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